王位戦第2局 深浦康市王位勝ち 一勝一敗のタイ

深浦が上手にまとめて羽生を下し、一勝一敗のタイへ。
次は7月31日。






歩4


















正直、どこがポイントだったのか全然わからない。どうしてこういうときに限って控え室情報がないんだ。
こういうすかすかの後手陣とほぼ初形の先手陣の対抗は、駒落ち戦を連想するのだが、どう考えても大駒をいつでもうちこめる後手陣のもろさばかりが目につく。互角の棋力なら先手持ちと考えるのは当然。そのわりに羽生もよくまとめたなと思う。結果的に△8一銀も△9二香もさばいたかたちになっているし。
ただ深浦が手堅くまとめた印象はぬぐえない。最後の決め手は▲2八歩ではないかと思う。相手の攻め駒の銀を責めて追い返したばかりの角を殺して勝ちだ、と見切ったのだから。最後の持ち歩でもある。
羽生は負けたものの、あまり負けた気はしないのではないだろうか。少し趣向に凝りすぎたという印象。この二手目△3二飛をもう一度タイトル戦で羽生が採用するかどうかに注視していきたいところだ。

追記

羽生の2手目3二飛に、深浦が乱戦を挑んだ本局。2日目は、桂得した深浦が封じ手の4四歩(39手目)から攻め、羽生が受ける展開となった。

 深浦は駒得を生かし、6五角(43手目)から攻撃態勢を整えたが、羽生は1四角(54手目)から反撃。逆に5四歩(60手目)から5五歩と拠点の桂を取って優勢に。

 しかし、深浦は羽生の2七角(76手目)をからめた二枚角の攻めに、3六金(79手目)と頑強に抵抗。羽生が寄せにもたつく間に、5三銀成(101手目)から4四角で再逆転。羽生玉に詰めろをかけると、自玉を的確に逃げ切った。


両対局者のコメント

深浦康市王位の話  未知の将棋だった
 前例のない未知の将棋でした。桂得になって指せるかと思いましたが、その後が難しく、終盤ではダメにしたと思いました。勝ちになったと思ったのは、最後、自玉に詰みがないのを発見した時です。

羽生善治名人の話  3六金で大変に
 玉が薄いので最後までまとめきるのが難しい将棋でした。終盤も何かあるという気はしましたが…。2五角(78手目)あたりが勝負所でしたか。3六金(79手目)で大変になりました。

うーむ。最後△6九飛成は形作りだと思ったのだが。一手パスにしか見えない。勝つつもりなら歩を成り捨てて△8六歩、あるいは△6六飛成から粘るんじゃないのか?
まあ勝負所は見誤ってないようなのでよしとするか。