初級者次の一手No.12,王位戦,深浦-羽生

対局日:2008/09/09
棋戦 :第49期王位戦第6局
対局者:深浦康市王位-羽生善治名人
戦型 :矢倉



No.12a
31手目
相手が飛車先の歩を交換してきました。△2三歩と打つのが普通で次に△3三銀と上がって矢倉を目指すのも一局です。しかし、ここではもっと欲張った指し方があります。3手。



No.12b
45手目
相手は駒組みの途中ですが、チャンスと見て仕掛けて行きます。手薄なのは中央で、△5二飛と飛車を活用したいですね。単に飛車が回るのでは芸がない。スピードアップしましょう。少し難しい。3手。



No.12c
135手目
△5五馬が▲8八玉をにらんでいて間に▲7七桂があります。こういう時は間の駒を攻めるのが常道。さて。

正解は以下。









No.12a
△2三銀▲2八飛△2四歩
この形では銀冠を目指すのもあります。矢倉よりも堅い囲いで、この形で安定できれば得です。△2四歩と打つのがとても大事なところでうっかり逆に▲2四歩と打たれると△1二銀と引かなくてはならなくなり何をやっているのかわからなくなります。
「チャンスと見れば銀冠」



No.12b
△5五歩▲同歩△5二飛
先に歩をつき捨ててから飛車を回るのがスピードアップの方法。△5五歩▲同歩△同銀と銀だけの攻めでは次の狙いがない。飛車と銀と両方があれば格段に迫力が違いますよ。
この手法は色んなところで応用が効きます。知っていれば攻めのスピードが格段に速くなります。
「先につき捨ててスピードアップ」



No.12c
△7六歩
△5五馬が▲8八玉をねらっています。間にある▲7七桂は動くと王が取られてしまうので、動けません。そこを狙って歩で桂馬を攻めるのが常道。
「角のラインは受け難し」