第58期王将戦第1局 深浦王位-羽生王将-4

先手
深浦王位
対局者後手
羽生王将

手番

0
駒割
0
7攻撃陣8
5守備陣2
12合計10
角換わり腰掛け銀
中盤戦79手目


帰着。

封じ手は予想通り△3三金だった。
自由奔放な指し回しだ。

ここから互いに形を決めていくのだが、局面が進んだわりに一向に駒が交換されない。最初に角交換して以来、未だに歩以外の駒が駒台に乗らないのだ。

羽生はもう78筋の形を決めてしまって桂馬と歩が安定しているので、▲83歩と打たれてもそれほど響かない。飛車を縦で使うためには桂馬や歩といった駒をほぐさないといけないのだが、そうするとせっかく隅に追いやった▲9八銀や▲7九金に活躍の場を与えてしまう。それぐらいならこれ以上触らない方がよい、との判断であろう。
深浦もそれがわかっているから、わざわざ▲8三歩と打たないのだ。
羽生の方はどこかで右辺に角を打ち込んで挟撃形をつくりたい。


深浦の攻撃陣は馬が良く利いていて、あとは手駒があれば寄せられるのだが、▲4五桂とする切り札がいつもあり、これをどのタイミングで決行するかが勝負の分かれ目。カウンターがいつでも来る。
この▲4二歩のような中空の歩は、形を乱す常套手段。放っておくのは不気味だし、どの駒でとっても形が乱れる。先手としても、取られても所詮は歩なのだ。

それにしてもこの手数まで進んで駒の損得がまったく無いとは。ここから堰を切ったように流れが激しくなるだろうか。