将棋、囲碁、チェスなどに用いる対局時計(チェスクロック)の自作3

前回の記事から半年空いてしまいました。作業そのものは進んでいたのですが、折からの多忙により記事にせず放置していました。

ケースを作りなおし、完成した写真を提示します。手作り感満載の仕上がりですが、まあ使えれば問題はないというレベルで作っていたのでまま満足かと。
仕様は以下。


  • 持ち時間設定:両者独立に最大99分99秒まで
  • 秒読み:0,10,20,30,40,50,60秒
  • 秒読み音:10秒刻み、5秒以下は1秒刻み


実際に作ってみて感触では、プログラム自体は初級者でも容易にできるレベルであり、特に難しいことを行う必要はないでしょう。PICやAVRなどのマイコンの入門書で採り上げるのに丁度良い難易度といったところか。タイマー関数の取り扱いが少し難しい位か。電子工作やケースの制作なども取り立てて難しいことはないが、やったことのない人には敷居が高いのかもしれません。
ただマイコンのライタや電子部品、工具、本などの初期投資が必要となっているので、これだけを作るために全てを揃えようと思えば、5000円を軽く越えてしまう。そう考えるとシチズンの対局時計は上手い値段設定なのだろう。いやまあ自作品を競争相手にするのは数十年時代遅れですか。



id:Fireworksさんと競うように開発を続けていましたが、間が開きすぎてしまい興ざめでしたか。id:Fireworksさんは将棋というゲームに様々な角度から斬新で独創的な光を当て続けていて、一つひとつの記事がとても興味深い。私はいつもその記事を読むたびに視野が広がっています。

対局時計を自作(5)「秒読み対戦に対応」(将棋の神様〜0と1の世界〜)



これで一応当初もくろみまでは到達できたのだが、次のステップへ進みかけたところで放置している。

余談だが、モチベーションが低下した理由は、以下。

  1. プリント基板やケース、液晶パネルなどを特注したらどうなるか調べたら、イニシャルコストのあまりの高さに辟易。この歳になっても未だに世の中の仕組みにうんざりします。自作だとどうしてもその美しさに限界があるんです。関連して、電子機器に載せられているICはおそらく特注なのだろうが、どのように設計し、生産しているのだろうか。調べてみたのだがさっぱりわからない。どなたか本職の方にご教示願いたいところだ。
  2. Fireworksさんの書かれる美しいソースにショックを受ける。まあソフト屋さんではないので仕方のないところですが。だからといってハード屋さんでもないし。いったい何屋さんと言えばしっくり来るんだろう。何でも屋?
  3. 対局時計が完成しても実際に使う相手がいない友達の少なさ。詳細の言及は拒否します。

まあ落ちない三段オチはこのぐらいにしておきますか。

次の目標は、小型化です。例によっていつになるかわからないですが。マイペースにのらりくらり生きていきます。


追記:

こんな質問を見付けた。
対局時計(囲碁や将棋において考える時間を制限するためのもの)を作ろうと思って... - Yahoo!知恵袋


電子工作で対局時計を制作する
求めている条件は、

  1. 持ち時間が1分単位で設定できて
  2. 秒読みが10秒単位で設定できて
  3. 液晶表示ができる

とのこと。

回答された方が当ブログの記事を紹介してくださっている。

のだが、微妙にコメントが間違っている。。

私の作っているものは1,2,3の全てを満たしています。持ち時間は1分どころか、1秒刻みで設定できますし、液晶表示(LCD)もできてるのに。。しかもid:Fireworksさんの7セグメント表示器は、液晶(LCD)じゃなくて発光ダイオード(LED)だよ。まあ質問者さんも回答者さんもその区別がついてないようですし、実際問題どうでもいいことではありますが。


製造コストですが、どこで部品を調達するかで天と地ぐらい差が出ます。秋葉原と地方では同じ部品でも価格が数倍違うことは普通です。抵抗やコンデンサーのようなものは一つずつばら売りではないことがあり、そういう無駄も多いです。それから意外とケースが高かったりします。完成度をどのくらいにするかでも違ってきます。ちょっと一概には答えられないですよね。
夢も希望も身も蓋もないですが、自分で作るより丸一日バイトして市販品を買う方が自覚ある大人として賢い選択だと思います。自分で作るのはそれ自体が趣味であるか、作ることを通じて勉強になる、見せびらかして自慢するなどという副次的な効果を狙わないとメリットが薄いのではないでしょうか。